KPUM膝関節症研究グループ

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膝周囲の絞扼性神経障害

2018年4月、膝周囲の絞扼性神経障害の患者さんを治療する機会がありました。

60歳代の男性、1カ月ほど前から右膝から下腿後面の強い痛みが出現し歩行困難で受診されました。

単純X線では内側大腿脛骨関節の骨棘、膝MRIでは内側半月板後節の断裂を伴う内側の変形性膝関節症を認めます。

しかし膝の屈曲伸展によ疼痛の変化はありません。腰椎MRIで脊柱管狭窄症を認め神経根ブロックを湯澤先生に行ってもらいましたが症状に変化はありませんでした。

膝窩部に強い圧痛点がありエコーガイド下に脛骨神経の神経剥離をしたところ、膝から下腿の疼痛は劇的に改善しました。よく聞くと最近体重が急に増えたそうです。

先日はスポーツインストラクターの女性の膝内側痛で伏在神経の神経剥離を行ったところ症状が見事に改善しました。このときもMRIで内側半月板損傷があり診断に難渋しました。

伏在神経の膝での絞扼性障害はHunter's canal syndromeと呼ばれ重要です。

さらにエコーの活用で従来あまり報告されていなかった部位の絞扼性神経障害に多く遭遇するようになりました。膝関節症との鑑別をしっかり行っていくようにしていきたいと思います。