KPUM膝関節症研究グループ

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運動でO脚改善、変形性膝関節症・軟骨の変性をストップ!

2019年3月稲波脊椎・関節病院で行っていた変形性膝関節症の保存療法(リハビリ)研究を終了しました。ご協力いただいた患者さんに感謝いたします。

変形性膝関節症に対する運動(エクササイズ)療法はいろいろなものが奨められています。

どんなエクササイズでも過剰でなければ関節症の症状は改善することが知られています。

しかし、軟骨が傷んでいくのをストップさせる運動(エクササイズ)を科学的に証明したものはありませんでした。

変形性膝関節症のきっかけや悪化の原因として注目されている内側半月板の後節・後角断裂(MMPRT)のある患者さんを対象としました。

メンバーの生田が今までの膨大なデータ解析と経験から考案した内側半月板整復とアライメント修正のための運動療法です。

アライメント修正というと自動車のホイール調整みたいですね。整形外科では骨や関節の並びのことを言います。自分のホイールを調整するイメージです!

アライメント調整のエクササイズという意味でAdapting alignment exercise (AAE) と名付けました。

解析の結果AAEを行った患者さんは慣習的な下肢エクササイズを行った患者さんにくらべて、歩行中の悪いアライメント(O脚)が修正され、内側後方荷重部の軟骨の傷みの進行がおさえられていました。また、膝の痛みと機能も改善されていました。

青い部分は変性していないT2値の低い軟骨、緑の部分は変性した軟骨です。半年間週1回通院して理学療法士指導でAAEを続けていただきました。内側後方の緑色の変性軟骨が減少しているのがわかります。

歩行時の動体撮影解析(3D-to2D registration technique)でアライメントが有意に改善していることがわかりました。

MMPRTに対する有効な治療は今までに報告されていません。今後AAEを普及して、もっと多くの患者さんの健康な膝の維持に役立てればと思います。まずは、国際雑誌投稿や学会発表をして普及に努めていきます。

AAE

1. Exercise to adapt alignment 1:

軽度の内股で椅子に座り、自分の手で内側半月板(MM)を押し込みながら、下腿の内旋と外旋を繰り返す。これを両側10回×3セット行う。運動前だけでなく、時間があるときにこまめに実施する。

2. Exercise to adapt alignment 2

床に座り、一方の膝を90度屈曲し、自分の手でMMを押し込みながら、下腿内旋と外旋を数回繰り返す。MMを押し込んだ手を保持しながら、股関節内外転0度かつ下腿内外旋0度を保ちつつ(つまりつま先をまっすぐ前に向けたまま)、踵をゆっくり滑らせて、可能な限り膝を曲げる。MMを押し込んだ手は保持しながら、踵をゆっくりと滑らせて、可能な限り膝を伸ばし、5秒間大腿四頭筋に力を入れる。MMを押し込んだ手は保持したまま、踵をゆっくりと滑らせて膝を90度まで曲げて、最初の姿勢に戻る。これを両側10回×3セット行う。

3. Weight-bearing exercise 1

足を肩幅に開いて立った状態から足を一歩前に出す。この時、バランスを崩さないように壁などに手を添える。姿勢良く前を見ながら、前に出した足は進行方向に向け、足関節を背屈位にし、膝をしっかりと伸ばして、踵にゆっくりと体重を載せる。この時に殿部と下肢に力を入れ、膝関節は外転位や過伸展位にならないように注意する。これを両側10回×3セット行う。

4. Weight-bearing exercise 2

3のエクササイズの姿勢から、後ろ足を前に蹴りだし、その足をゆっくりと一歩前に出す(歩行周期の遊脚相)。その際、反対の脚は内反位にならないように、ゆっくりと体重を前に移動させる(歩行周期の立脚相)。